日曜日, 1月 28, 2007

クラッシュ ☆☆☆

黒人刑事と家族。
黒人刑事の弟とその友人の車泥棒
白人検事とその妻
白人刑事と父。
新米白人刑事。
黒人テレビ演出家とその妻
ペルシア人商店主とその家族
黒人錠前職人とその家族
韓国人の人身売買犯とその妻
ふー、これで全部か。
それぞれが複雑に絡み合う二日間の物語。

人種問題の今を真っ向から描こうとしている。
脚本家的野心も見せながら誠実でもあると思う。
それぞれのエピソードに紋切り型の単純さは無く、説得力はある。

それでもなおわずかな引っかかりが残る。
パズルのような絡み合いを技巧的にこなしたことが、却って人種問題の闇の深さへと切り込む力を失わせてはいないか?

マット・ディロンの演じる複雑なキャラクターが魅力的。

極めてシンプルな音楽の使い方はこの映画の美点。

金曜日, 1月 26, 2007

月曜日のユカ ☆☆

加賀マリ子の可愛さとファッションを楽しみながら髪型にびっくりしたり昔を懐かしんだりする映画。

日本のヌーベルバーグってなんだったかねえ。
きちんと評価されるおもしろい作品ってあるのか?
物真似の域を出ないのではないか。

と思ったら全然違うらしい。
フランスヌーベルバーグに影響を与えたのが中平康だったとか。「狂った果実」を見たトリュフォーやゴダールが小躍りして喜んだらしい。
ふーむ。

傑作って評価されてるらしいけども、そうかなあ。
脚本も人物もなんだか物足りなく思えましたが。
新聞の穴から場面転換とか、スラプスティック風シーンの挿入も無理矢理な印象を受けるのは現在の視点で見てるからかなあ。
当時の映画の基準からして斬新ではあったと思うけど。

鈴木清順をもう一度見てみようと思った。

本日の名言「本物は時を超えるはずですよね。」
北の零年 ☆なし

あかん・・・・・・。
たぶん行定監督は大作に向かないんやと思います。
「きょうのできごと」はおもしろいですから。
花とアリス ☆☆☆☆

そもそものいきさつがコマーシャル用のショートフィルムのアイデアだったことがこの作品を特徴づけてる。
自分が記憶喪失かどうかよく判らないっていう大胆な設定。やるなあ。
これが最初っから本気の映画だったら却下したんじゃないかなあ。
ま、コマーシャルだし、ありなんじゃない。っていうアイデアが「映画にしませんか」となって、
「ええーっ、うそー・・・・・いや、まてよ。」と、こうなったんじゃないかと。かってな想像ですが。
でもこのまるでテキトーな設定が物語に個性と動きと軽やかさを与えてると思う。成功。

えーっと、間違っておりました。記憶喪失のアイデアは映画化するにあたって加えたとのことです。

岩井監督作品の魅力の一つは大胆な設定と繊細な描写。
リリィシュシュはちょっと違う。
で、今回は大胆に加えて、記憶喪失じゃない男に記憶喪失だと言いくるめるっていうアホっぽさが加わりました。
この映画の蒼井優はホントによくて、彼女のベストだと思うし、鈴木杏もめっちゃいいからやっぱり大好きなのだけれどその良さを全部上手く引き出すことが出来たのはこの大胆で荒っぽくてあほらしい設定があってこそ。
ウソがバレそうになりいきなりアリスの話をでっちあげ「・・・というわけです。」っていうハナの棒読み台詞に感心し、「ハナピンチじゃん」の一言にドキドキし、海岸で「二人は別れて。」といきなり突きつける台詞は、気丈なアリスが初めて見せる十代らしい危なっかしい不安定さで、泣けた。
これだけではなんだかわからないですが、コメディとまではいかないふたりの可笑しくてでも十代のリアルでもあるやりとりが、この映画の一番の魅力です。

クライマックスとなるはずの学園祭はなぜか平板。ホントのクライマックスはその後のオーディションだからまあいいか。

この映画を撮ってみてアホっぽく強引な設定が物語に与えることについて監督自身も再発見があったんじゃないかと。かってな想像ですが。

友人から借りたメイキングもよかった。

本日の名言。「やりすぎちゃうんってくらい大胆すぎることが上手くドライブかけてくれることもあるってことかなあ。」

火曜日, 1月 02, 2007

メゾン・ド・ヒミコ ☆

障害者や、特殊な立場の人を題材にした作品を作ろうと考えた時、そこに踏み込むことが許されるかどうかを自らに問うことになる。
結局それはその題材を描くためのアイデアがあるかどうかを基準にするのが一番誠実な態度じゃないかと思う。
で、この映画にはそれが欠けている。

柴崎コウだけがいい。
柴崎コウを見ていると、役者の才能は掴み取るものではなく、与えられるものだ。としみじみ。
この人きっと最初から上手かったんじゃないか。
ヒミコの住人たちがみな映画というものになじめない風で、台詞が物語の道具になってしまっているのに対して、柴崎だけがしっかりとそこにいて、ひとりで手触りのある空間を生み出してしまえる。ほめすぎか?
事務服で不機嫌でちょっとぶさいくな女がなんでこんなにいいかねえ。
柴崎ウォッチャーには必見。
歌もうまかったよね。
まったく。

清兵衛でべた褒めした田中民も特に見るとこなし。

ゲイの人たちがこの映画をどう評価するのか知りたくなった。一様であるはずも無いけれど。

今日の名言「柴崎コウはすごいなあ。」