金曜日, 1月 26, 2007

花とアリス ☆☆☆☆

そもそものいきさつがコマーシャル用のショートフィルムのアイデアだったことがこの作品を特徴づけてる。
自分が記憶喪失かどうかよく判らないっていう大胆な設定。やるなあ。
これが最初っから本気の映画だったら却下したんじゃないかなあ。
ま、コマーシャルだし、ありなんじゃない。っていうアイデアが「映画にしませんか」となって、
「ええーっ、うそー・・・・・いや、まてよ。」と、こうなったんじゃないかと。かってな想像ですが。
でもこのまるでテキトーな設定が物語に個性と動きと軽やかさを与えてると思う。成功。

えーっと、間違っておりました。記憶喪失のアイデアは映画化するにあたって加えたとのことです。

岩井監督作品の魅力の一つは大胆な設定と繊細な描写。
リリィシュシュはちょっと違う。
で、今回は大胆に加えて、記憶喪失じゃない男に記憶喪失だと言いくるめるっていうアホっぽさが加わりました。
この映画の蒼井優はホントによくて、彼女のベストだと思うし、鈴木杏もめっちゃいいからやっぱり大好きなのだけれどその良さを全部上手く引き出すことが出来たのはこの大胆で荒っぽくてあほらしい設定があってこそ。
ウソがバレそうになりいきなりアリスの話をでっちあげ「・・・というわけです。」っていうハナの棒読み台詞に感心し、「ハナピンチじゃん」の一言にドキドキし、海岸で「二人は別れて。」といきなり突きつける台詞は、気丈なアリスが初めて見せる十代らしい危なっかしい不安定さで、泣けた。
これだけではなんだかわからないですが、コメディとまではいかないふたりの可笑しくてでも十代のリアルでもあるやりとりが、この映画の一番の魅力です。

クライマックスとなるはずの学園祭はなぜか平板。ホントのクライマックスはその後のオーディションだからまあいいか。

この映画を撮ってみてアホっぽく強引な設定が物語に与えることについて監督自身も再発見があったんじゃないかと。かってな想像ですが。

友人から借りたメイキングもよかった。

本日の名言。「やりすぎちゃうんってくらい大胆すぎることが上手くドライブかけてくれることもあるってことかなあ。」

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