金曜日, 12月 22, 2006

スクラップ・ヘブン ☆☆

リ・サンイル監督って「69」が一番よくて、スクラップ、フラガール、とだんだん下がってないか?がんばれよ。

導入部がいい。
後半力を失う。

派遣掃除夫オダギリジョー、警察庶務の加瀬亮、義眼の薬剤師栗山千明。
この三人が偶然乗り合わせたバスでバスジャックという恐怖体験を共有する。
この設定がいい。この映画の一番いいとこ。

このあと加瀬とオダギリを偶然に会わせないと話が進まないのだけど、そこもいい。
まず、加瀬がいつもの帰宅途中でキャバクラスカウトらしき黒服軍団の強引な勧誘を見かけケンカを売るという夢を見る。
電車の中で目が覚め、夢と同じ現場を通りかかると、同じように黒服軍団にケンカを売るオダギリに出くわす。
追いつめられたオダギリを加勢が救う。

偶然に再会する。
二人の不満。
二人に強いつながりが生まれる。
ということがいっぺんに出来てしかも勢いがつく。よい。

この辺りまでは、お、いけるぞ。と。
その後はだめというかふつう。

なんだかだめなとこはいろいろあるが、とにかく過剰な暴力がヘン。
便所の柄本明。無表情に振るう過剰な暴力。でもそれって柄本のパターンみたいになってるし、強い怒りを説明するための激しい暴力になってしまってる。よくない。
しかも過剰な暴力を、相手を許すためにお互いにとって必要な制裁として描かないなら、薮田はただの暴力好きってことにならないか。人物設定が不適切。
殴り合い、血、こういう要素が逆に人物を平板にしてしまっている。刺激的に描こうという演出家の欲張りな意図があるから、つい柄本の得意芸にはまっちゃったな。
終盤、取調室で加瀬がオダギリを13回殴る。
ここでも過剰な暴力が意味をなしていない。過剰な暴力をオダギリに向けるなら、死ぬ気でいるオダギリをなんとしても救わなければいけない。強引に警官に連れ去られるという辻褄合わせはあるが、オダギリを救う意思がぜんぜん感じられない。なんやねん、イライラしたから殴ったん?そんなに?
この流れでいくなら加瀬も当然死ななきゃいけない。
半分死ぬ気の最後も用意されてるけども、お前ホンマに死ぬ気はないやろ。最初っから。バレてるわ。

さてまあそういうわけでした。
はい、今日の名言。
「暴力はいかんよ、君ぃ。」

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