日曜日, 12月 10, 2006

ナイスの森 ☆☆

日本のコマーシャルのトップレベルの才能が作った作品だけに、コマーシャルの世界の発想に近いとおもう。

面白い漫才をそのまま持ち込んでもコマーシャルではうまくいかない。
繰り返しの観賞に堪えるには笑えるネタそのものより、新しい見え方の方が有効でしょう。

例えばアイデアを俯瞰するメタアイデアのようなもの。
例えば異化効果やズラすことで見慣れたものに新しい意味を与えるような表現。

おそらく最もラディカルなコマーシャルのアイデアは、コマーシャルとテレビのこちら側とのコミュニケーションの構造そのものを
再構築するもの。
箭内さんがその一人で、佐藤さんは従来のコミュニケーションを本来の意味でラディカルにした人でしょうか。

脱線しますが、中村至男(なかむらのりお)さんとの共著「勝手に広告」おもしろいです。立ち読みですが。

ナイスの森が目指したのも「常識のタガ外し」を標榜するように、新しいコミュニケーション。
志やよし。
さておもしろかったのか。

面白いエピソードとつまらないエピソードと両方あった。
温泉三人娘。奇妙な楽器のエピソード。部活。この辺りには普遍的おかしさがある。笑った。
わからないのもある。やけに長いし。

手練の仕事だから簡単に底が割れないしたたかさは感じる。
たいしたもんだ、と。凝りまくってるなあ、と。

ただこういう映画で思うのは、
目的がタガ外しだと言ってしまえば常識的な批評を無効化できる。
そのことに甘えてませんか?ってこと
そのことが逆に批評にさらされることを恐れることの裏返しにも思える。
辺りをうかがう臆病さがどこかに潜んでる印象を拭えなかった。

おもしろいってどこにあるのかと考える。
この映画は自分たちがホントにおもしろいと思うことを思いっきり自由に表現したというふうに見えますが、おもしろいってそういう風に自立してるのかなあ?
作り手と受け取る側が相互に影響し合う関係性の中にしかおもしろいは存在しないようにも思う。

それから、もう常識の枠組みは十分壊れてない?まだまだ足りない?
破壊があって想像があるというのは分かるけど、今おもしろくて難しいのは構築することだと思うんだけれど。

辛口になってしもた。

0 件のコメント: