たそがれ清兵衛 ☆☆
田中泯(たなかみん)につきる。
声。存在感があり、濃密で重い。それでいて静かで、澄んでいる。いったい誰だろうと最初の一声から気になった。
決闘場面でのさすがに鍛え上げた動作。見惚れる。
事切れる最後の芝居もまた見事。
この死に様の解釈はきっと田中泯だろうと想像した。山田監督ではないと思う。
訓練ということを考えた。
天才的な役者というのはいるだろうけど、それから田中泯もその一人かもしれないけれど、この映画で田中泯が見せるすごみは十分な期間厳しく訓練された者にだけ可能なことじゃないかと考えた。
バガボンドの武蔵は天下無双を志し、生死の境を何度もくぐり抜け、そして剣さえ必要ないという境地に到達した。にゃむ。
あの武蔵のように訓練によってだけ到達できる境地。そういうことを思った。
ん?なんだ?こう書くとなんか当たり前すぎることになってるな。
いや、だから。
たとえば、スターと呼ばれる役者の魅力は天性の資質によるところ大で、訓練の痕跡は無粋と疎まれることさえあるだろうけど、この映画で田中みんが見せる魅力は、訓練によってのみ表しうる種類の魅力でありました。ということです。これで言えたのか?
山田監督の映画にはやはりイデオロギー臭が残る。
出世を目指すのは醜いことってのは単純すぎやしませんか?それ以前に、映画をある主張を伝えるために撮るならそれはプロパガンダ映画と同類だ。
田中泯の顔を緑に塗るのは余分だった気がする。
さて、今日の名言。
「子供にはちょとぐらい無理矢理でも習い事続けさせた方がいいな。」
0 件のコメント:
コメントを投稿